みどりのおうちのじかん tenobe.exblog.jp

誰にとっても、日々の暮らしは かけがえのない時間。ひとつひとつを大切に物語をつむいでいきたい


by hituzi-to-yagi
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カテゴリ:おと( 1 )

たくさんのふるさと

七月になると、帰省の準備でなんだか落ち着きません。
いつ帰るか、誰と会うか、どうやって帰るか、何を持っていくか、話し合って決めることがいろいろとあり、慌しくなります。

私にとって故郷は遠くにあってよいもので、今いるこの場所を新しい故郷として大切にしていこうと思って生活しているため、うまれ故郷は単に親兄弟が住まっていて、大好きな山や友達がいる場所で、それ以上のものではなく、帰るというよりは「行く」という意識が強いです。
せいぜい帰っても年に一度か二度・・・行って、ふるさとが変わっていく様をただただ見続ける、そんな心持です。(普段連絡を取り合っていても、直接できることがほとんどないというか・・・そういうジレンマもありますね)

ちょうどそんなことを思っていたとき、木下尊惇さんの新作アルバムを記念してコンサートがありました。
「足跡に花ひらく」
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コンサートはとても豪華な顔ぶれで構成も素晴らしかったです。なんだろう、人生のなかの大切なエッセンスを取り出して見せられた気持ちになるというか、あとで思い返しても、ただ、ただ、感嘆してしまいます。
木下さんは普段から自然体なかたですが、コンサートでもいつもと変わらない率直さと誠実さで、多くを語らなくても想いがつたわってくる・・・そんな時間でした。

木下さんを見ていて、まるで魔法を見ているような気分になるのはこういうところです。伝える(伝わる)って そんなに簡単なことではない、と私は普段から思っているのですが、彼のすることは、なんでか軽々といろいろなものを越えて伝わってくる気がするのです。気がつくと私の手のなかに「想い」が届いているような気になるのです。不思議です。
直接話したわけではないのに、いろいろな対話をしたような気になるのはただの勘違いなのかな~?(笑)と思いつつ、満ちたりたこの時間に感謝です。

今回、こころに残ったのは、ふるさとの話でした。
木下さんは愛知の出身だそうで、10代のときにボリビアへ渡りました。木下さんにとっては愛知の生まれて過ごした町が第一のふるさとで、その後10年間過ごしたボリビアは第二のふるさとなんだそうです。そして日本へ帰り、東京で過ごしたのち ここ秦野へと移り、今は秦野を第三のふるさとと感じているそうです。そこで今回は第三のふるさとである秦野でアルバム発売記念のコンサートをしてくださったのです。そのおはなしを聞いてとても律儀なかただなぁと思いました。そしてこの土地に同じく住まうものとして、ありがたいことだなぁと思いました。

今、木下さんは秦野から福島へ毎月通っています。もともと福島の川俣町で行われていた「コスキン・エン・ハポン」というフォルクローレの音楽祭とも縁があるかたです。音楽よりもするべきことがあるのではないかと悩みも抱えつつも、2年以上の年月を通い続けたことで、今では震災以前よりたくさんの友人・知人ができた、言葉も福島なまりになってしまったと言います。
そう、福島が彼にとって四つ目のふるさとになったのですね。今住んでいる場所よりもたくさんの友人がいる土地なのだから、ふるさとと言って間違いないでしょう(笑)
今回、アルバムには福島のことを曲にしたものが何曲かありますが、かの土地をふるさととして自分のなかで受け止めたときに彼のなかでばーっと湧き上がってくるものがあったようです。

そんな話を聞くうちに、「たくさんのふるさと」・・・そんな言葉がこころに浮かんできました。

自分にとってのふるさとと思える場所がたくさんある、ということはなにも木下さんに限ったことではないでしょう。
私にも、人生のその時々で過ごしてきた場所、知り合った人々、交わした言葉がたくさんあります。今は連絡をとりあわなくなっても、気にかかる人や土地があります。そしてそれは今もこころのなかに温かい大切な場所として存在し続けています。

美しいふるさとは、人の想いの分だけ、そこかしこにある。(どこか一箇所に限定されたものではない)

そして。

守るには、思うだけでは足りない。

・・・直接、繋がっていくこと、なのかな。

どんな繋がり方もありですよね。人の数だけ、思いの数だけ、たくさんの形ができるわけですから。

・・・どうやら、震災のときに思った想いへまた戻ってきた感じです(笑)


音楽って、いいですね。人のこころを動かす力があります。

私は音楽もできないし、できることといったら、何があるか・・・・・・でも何にもないってこともないかなと思って、またこれからのことを考えていきたいです。
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by hituzi-to-yagi | 2013-07-31 12:11 | おと